(株)アクセルケム

教えてください!大阪の企業![第4弾]

2016/12/07 アクセルケム対談記事

文責:犬飼葵/平松雅矢

 

「教えてください!大阪の企業!第4弾~アクセルケム編」

今回は株式会社アクセルケムの河邊社長に取材させていただきました!

面白い依頼は何でも受ける!河邊社長流の信頼関係の築き方!!

 

~取材企業紹介~

株式会社アクセルケム

・所在地:大阪市中央区

・事業内容:レディースアパレルの卸売業

 

~取材隊員紹介~

あおい

そそっかしい部分もあるが隊員の中で1番の努力家。

今回の取材を楽しみにしていた。

 

まや

学生の間では1000人に1人の逸材と呼び声の高い優秀な隊員。(後輩調べ)学販の中心的存在であり、頼れる代表。今回も取材を円滑に進行してくれた。

あおい「では、早速取材に入らしていただきます。最初に自己紹介をお願いしてもよろしいでしょうか。」

 

河邊社長:「趣味は海に行くことですね。大学を卒業して、大手アパレル企業に新卒で入り販売員から始めました。そして、IT会社に転職し、10年勤めてから、アパレル会社を起業して2年が経ちますね。自分は服を買うばかりでしたが、お客様が求める商品を提供したいと思い、来年から小売りにも挑戦予定です。」

 

あおい:「そうなんですね。学生時代から、服に興味を持たれていたのですか?」

 

 

河邊社長:「そうですね。高校の時にファッションに興味を持ちまして、アルバイトのお金を全て洋服に使っていました。衣類はずっと好きですね。」

 

まや:「過去にアパレルの企業に就職されて、IT企業へ転職されたのはどういう経緯があるのですか?」

 

河邊社長:「24歳の時に、関西でアパレルの営業をやっていたんですけど、東京で企画をやりたいと思ったんですね。その時に、企画をするには、販売員としての実績が全国1位になるという条件があったんですね。そのために、全国1位にはなれたんですけど、売れる販売員は会社としては、販売員として残しておきたくて、僕と会社でのすれ違いがでましたね。その時がちょうど楽天という会社が、野球球団を買収していて、野球経験もあったことから楽天に興味を持ちました。当時の楽天は、衣類であったり、電化製品を売っていましたね。その時、先輩に「これから店頭接客よりもウェブで服が売れる時代がくるんじゃないか」と言われてウェブで商品を売ることに目を付けました。今も店頭で商品を売るより、イーコマースで商品を売っていく方が可能性があるので、それをきっかけに10年間勤めて転職しましたね。」

 

あおい:「その10年間で1番苦労されたことは何ですか?」

 

 

河邊社長:「そうですね。例えば、自動車や、電化製品等のメーカーは、真似事ができるんですよ。トヨタがこういうことをやっているから、下請けとしては何が出来るか考えるんですね。アパレルも同じで、先人たちにアップデートをかけていけるんですね。でも、IT業界は何も歴史がなくて、僕たちが最前線でやらないといけなかったので苦労しましたね。今は、服をモデルが来て広告を打つのが当たり前だと思うんですけど、実は僕らの会社が最初にモデルに服を着てもらって広告を作ったんですよ。」

あおい:「服は流行りとかトレンドがあるからなおさらネット販売で時代についていくのは大変そうですね。」

 

河邊社長:「はい。今は返品交換なども当たり前の時代になっているんですけど、当時はインターネットで服を買う概念がなかったので。サイズが分からない、試着できない中で服を買っていただくという所で、どのように顧客にサービスを提供すると、インターネットで物を買っているかを考えて、僕自身も色々な商品を買いましたね。自分たちが思った不安感や、こういうサービスが良いなど、実際に消費者目線になることで、いかにお客様の立場になれるかが勝負だと思いますね。」

 

あおい:「社長さんが服を買われるときに気を付けられていることはありますか?」

 

河邊社長:「買う時に気を付けていることは、納得して購入できるかですね。売る側として気をつけているのは、消費者に納得してもらえることですね。お客さんに商品を写真で見せる時は、実物より良く見えることもあるのでデメリットも含めて買ってもらうことですね。」

 

まや:「先ほどの話で、試着の出来ない状態で買うのは当たり前では無かったという時代に、実際にそれをやられてきて変化を感じることはありましたか?」

 

河邊社長:「ありましたね。インターネットからお客様の声が聞こえるんですね。レビューによって、購入した商品の評価がわかるんですね。例えば、お店で商品を買う際に、ちょっと嫌だなって思っても直接は言いにくいですよね。でも、ネットだと顔が見えないので言いやすいんですね。お客様の率直な声を真摯に受け止め、商品開発や接客に活かしていくと、売り上げが伸びていきましたね。当時は従業員7人くらいで売り上げが2000万程度だったんですけど、それが2,3年で70人に増え、売り上げが20億になったんですね。それぐらいITは成長率がすごいんですよ。」

 

まや:「今後伸びていく産業とは言え未成熟のIT産業に移られたのは大きい決断だったのではないですか?」

 

河邊社長:「僕は、当時24歳と若かったので様々なことに挑戦したいと思っていたんです。だから僕にとっては大きな決断ではなかったんですよね。ただ歳を重ねていくと挑戦に踏み出しにくくなるので、やはり若いうちに挑戦することが良いと思います。」

 

あおい:「そうなんですね。Facebookを拝見させていただいて、そこにはメインターゲットがレディースと記載されていたんですが、何故レディースに限定されたのですか?」

 

 

河邊社長:「20代~40代の女性は一番ファッションに敏感でお金を使うからですね。これから高齢化していく中で、ミセスも考えたいと思うんですが、現状としては、マーケットの1番大きい所でチャレンジしていきたいという理由もありますね。」

まや:「そうなんですね。現在は卸売りをされているんですか?」

 

河邊社長:「そうですね。今はメーカーとして商品を店舗や、ネットで消費者に商品を提供させて頂いてる会社ですね。今ページを立ち上げて、僕ら独自のブランドを作る仕掛けを考えていますね。」

 

あおい:「これから従業員を増やすことは考えてられるのですか?」

 

河邊社長:「今すぐには僕自身も未熟な部分があるため考えていないですね。人を雇うのは社会貢献だと思うので、ゆくゆくは人を採用したいと思っています。もし、化粧品が好きだからこういう商品を海外に打ち出していきたい等、面白い発想を持っている人がいればすぐ採用したいですね。つまり、面白い発想があって、アクセルケムという会社を利用していく気概のある人を採用したいですね。僕も、起業するときに多くの人に助けてもらったので、できることがあれば、支援していきたいですね。皆さん就活するときに、安定感とかネームバリューを気にすると思うんでけど、自分のやりたいことができて、給料をもらえる会社を探した方がいいと思いますね。まず、人事が企業の顔なので、人事と考えが合うかを確認した方が良いですね。今は、発想力、人にない強みがあれば、どこでも採用されると思いますね。僕は会社を大きくするつもりはなく、会社と僕自身を知っていただく、人とつながるアンテナを常に張っていますね。」

 

あおい:「そうなんですね。もし社長になっていなかったら何をされていたと思いまますか?」

 

河邊社長:「そうですね。僕のおじいちゃんとお父さんが自営業で商売人やっていて、ぼくも商売したいとはずっと思っていたので結局のところ自分で仕事をやっていると思いますね。」

 

あおい:「起業してから1番楽しいことは何ですか?」

 

河邊社長:「人との出会いが増えたことですね。僕の会社は2年目なんですけど、日本の1年目の企業は98%が赤字で90%が倒産するんですよ。でも、僕が生き残れたのは、多くの人と関わり助けていただいたからです。後、すべてを自分で決められるのでスピード感がすごいですね。ネットショップを立ち上げるのも、1週間もかからなかったんですよ。やりたいことがすぐできるのは1番楽しいですね。」

 

まや:「人とのつながりを大切にされているという所で、河邊さん自身が人と向き合う所で気を付けられていることはございますか?」

 

河邊社長:「サラリーマンの時は、企業の看板を背負っていたんで、裏表があったんですよ。でも今は、表しかないですね。前職の時からの取引相手からも変わったねと言われますね。食事にも普通に行くようなフラットに人付き合いしてますね。」

 

まや:「表と裏をなくフラットという部分で良い気遣いが出来るんですね」

 

河邊社長:「そうですね。最近は、人がよってきてくれるようになりましたね。僕は、商売上よくないんですが、物の原価と売り上げをストレートに説明するので、値段交渉も全然されないですね。アパレルのメーカーって全国にたくさんあるんですよ。僕なんか取引できないような、50億、60億売っている企業さんから依頼をもらえるんですよ。それは、そこの従業員さんとの人間関係があるおかげですよ。向こうの期待値に応えることで、仕事を多くもらえるんですよね。ピラミッドの上の仕事は、皆さん困ってないんで、どこでも、やれるんですよ。僕の仕事は、下位の部分なので、回ってくる仕事は誰も取り扱わない仕事なんですよ。でも、僕は人の力を借りてこなすんですよ。それが大手企業から仕事をもらえる理由ですね。フラットで付き合えば、大手でも小さい企業でもビジネスしてくれますね。サラリーマンの時は、日本の企業は冷酷だと思ってたんですけど、まだ義理人情が残ってるなと思いますよね。」

 

あおい:「アクセルケムさんの強みは、人づきあいということでしょうか?」

 

河邊社長:「そうですね。それと、一人でやっているからこそのスピードは他社に負けない強みですね。」

 

あおい:「行動力がすごいですね。」

 

まや:「そのスピード感がしっかりされている所からも信頼関係築きあげていかれているのですね。」

 

河邊社長:「そうですね。後、失敗も多いので、失敗をしたら言い訳をせずに謝ることを大事にしていますね。犬飼さんが使っているようなiPhoneケースも大手企業から依頼を受けて、ネットショップで販売しているんですよ」

 

まや:「そちらも作られているのですか?」

河邊社長:「これも生産してるんですよ。衣類だけではなく、iPhoneケースとかバッグとか、京都の本願寺のお参りする人が着る服とかなんでもやりますね。2か月前までは、東京のお好み焼き屋さんのお皿とかもやっていましたね。面白いことやったら何でもやりますね。僕が依頼するときに、この商品はA社、この商品はB社、この商品どうしようって頭悩ますのが1番嫌だったんですよ。悩んだ時に、何とかしてくれる人がいたらいいなと感じて、その人間が周りにいなかったので僕がなりましたね。困ったときに電話してくれて、僕がサポートして役に立てるのが楽しいですね。お皿の依頼が来ても、学生時代の友達に助けてもらっていますね。この依頼を受けることで、皆がハッピーになるので。」

 

まや:「今後の展望としては、顧客のニーズに応えつつ事業を拡大されていくイメージですか?」

 

河邊社長:「そうですね。これからも、色んなことやりたいですね。美容師の友人と話しているのは、美容とアパレルが非情にリンクする点です。美容院に行くのは、髪を切りに行くのが目的なんですけど、髪を切るだけじゃなく、トータルプロデュースができるようにアパレルを組み合わせた仕組みができると考えていますね。最終的には、美容、ネイルを女の子がプライベートで楽しめる世界観を作ってあげたいと思っています。もう1つ福祉関係で働いている友人と考えていることがあるんですよね。施設にいる高齢者は、買い物に行けないため誰かに頼むことになります。でも仮に介護施設とスーパーをリンクさせ、タブレットに商品を入れることで自動的に購入が出来て、それを宅配するサービスがあったら便利だと思いませんか?だから今、買い物を簡単にできる仕組みを知り合いのシステム会社を通じて作り上げています。施設の人も負担にならず、高齢者も喜び、お店も配達に行くだけで良いので、皆ハッピーになれると思いますね。実際に大手スーパーと僕らがタイアップできないかと提案したところ好感触だったため、恐らく来年には実現できると思いますね。僕は、期待されることが好きなんで、自分の発想で期待に応えられるようなビジネスを1つずつ増やしていきたいですね。学生への1つのメッセージとしては、2020年でオリンピックが終わったら時代が大きく変わるんで、その時にロボットに負けない発想力を磨いてほしいですね。」

 

あおい:「私自身、発想力がないのですが、どのように磨くと良いのでしょうか?」

 

河邊社長:「それは常日頃からアンテナを貼っていくことですね。物を捻くれた見方で捉えるんですよね。例えば、この缶コーヒーが紫で、理由はあると思うんですけど、「赤だったら売り上げがどう変わっていたのかな」と考える。「何でこうしてるんやろっ」というのがインスピレーションに変わり、発想力に変わりますね。人がやってないことをやるとバッシングされるんですけど、成功されている人はみんなそうですね。少し余談なんですけど、前職の時に、ロングブーツの裏に穴を開けたんですよ。それは、靴業界ではやってはいけないタブーなんですよ。でも、僕は、ブーツは群れるので通気口あった方がいいと思って作ったんですよ。中国で検査もして、空気が回って浄化されるのが立証されたんですけど、その当時、みんなにバッシングされていましたね。でも、売ったら年間5万足ぐらい売れたんですよ。だからそういう所で物の見方を斜めに見たり、人がしてないことをしてほしいですね。」

 

あおい:「最後にお聞きしたいことあるんですけどアクセルケムという会社の名前の由来聞いてもいいですか?」

 

河邊社長:「ブレーキを踏まずに常にアクセル全開で行きたいという僕のポリシーがあってそれを名前にいれさせていただいて、ケムのKは河邊のKで、Mは、僕が起業して時に1番助けていただいた人の名前ですね。」

 

 

学販隊員:「本日は、貴重な時間ありがとうございました。」

*番外編*~河邊社長流の大学生活の過ごし方~

 

「本当に若いうちにいろんなことに挑戦した方が良いと思っています。僕は、大学生の 時、大学には単位だけ取りにいっていました。その代わり4年間バイトを色々経験して いたんですよね。バイトを通して、色んな世代の人と交流深めて、社会に出る前に様々な ことを学びました。特に、アルバイトの時に「言われたことをやっているだけでは意味ないよ。なんのためにそれをやっているかの意味を考えれば、次の発想につながるよ」と言われたことは、印象に残っていますね。後、もっと海外行ったら良かったなと思いますね。海外から得られる情報はすごいんですよね。環境の悪い国に行くと、日本とは違うインスピレーションをもらえると思いますね。そして僕は、たくさん遊びましたね。その時に、遊んだ友達が今いろんな業界にいて、その人たちの意見の交換は役立ってますね。大学の枠を超えた人脈を広げるのも遊びだと思いますね。人材が社会にでてからの財産になりましたね。遊びから得られるエッセンスはすごいと思いますね。特にファッション業界には面白い発想が必要ですからね。

 

 

*取材を終えての感想*

あおい:今回は、テレアポからの初取材で、緊張と楽しみのドキドキでいっぱいでした。実際に河邊社長とお話すると、明るく対応してくれて、とても楽しかったです。私は、今まで就活をするときに、福利厚生やネームバリューを大切にして企業を探そうと思っていました。しかし、今回の取材を通して自分のやりたいことが出来る企業を探すことが大切だと気づくこができました。私も河邊社長のように満足のいく仕事を見つけて、充実した日々を過ごせるようになりたいです。

 

 

まや:確認の電話をした際、ご多用の中いつも快く対応してくださり誠にありがとうございました。河邊社長のような面白い取り組みをされている方を偶然にも取材させて頂けたこと非常に嬉しく思いました。また私たちの記事を通して、河邊社長のことを少しでも広めることが出来ると思うと、私たち自身も良い活動をしているなあと改めて感じています(笑)

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました!次回もお楽しみに!!